吉田卓史 中前 貴 正木大貴 福居顯二
従来難治性とされていた強迫性障害(OCD)に対して,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)による治療が可能となったことにより,OCDは一般の精神科診療で治療可能な疾患となってきた。しかし,SSRIによる強迫症状の改善率は平均30%程度,反応率は平均60%程度であり,また,高用量,長期間の投与が必要であることなどの問題点もある。
SSRI治療抵抗性のOCD患者に対しては,非定型抗精神病薬による増強療法の有効性が確認されてきている。
また,SSRIが特異的にOCDに有効であることから,OCDの病態にセロトニン系などの神経伝達物質の関与が推定されるようになり,OCDにおける神経科学,脳神経機能学的研究が進み,OCDの病態における神経ネットワークモデルが提唱されてきている。さらに,EBMに基づいたSSRIを中心とした薬物療法と認知行動療法を組み合わせた治療ガイドラインが作成されるようになってきている。
Key words:SSRI, obsessive-compulsive disorder (OCD), augmentation, cognitive behavior therapy, clinical guideline
「精神科治療学」第22巻06号 2007年6月号
特集 強迫の診立てと治療II
ラベル:参考資料

